葬儀の形式其の参「直葬」とは

喪服の女性「直葬(ちょくそう・じきそう)」とは、通夜式や告別式など宗教関係の儀式を一切行わず、ごく親しい身内の方のみで火葬だけを行う葬儀のことを言い、「火葬葬」とも呼ばれる最もシンプルな葬儀の形式です。

祭壇やお供え物、菩提寺への御布施など儀式で発生するお金がいらないこと、また親戚や会葬者がいないため、通夜振舞いや御伽などの食事のお金がかからないなど、とても経済的です。

参列を伴う一般葬では百何十万から数百万円の費用がかかるのに対し、直葬では十数万から数十万円で行うことができます。

また、身内が亡くなって悲しみに暮れている中、一般葬や家族葬では準備やら参列者・会葬者への対応に追われ、精神的にも体力的にも負担がかかりますが、直葬ではそれがないため、ゆっくりと故人を見送ることができます。

この直葬は従来のお葬式の形式にこだわらない方が増えたために、最近では需要もかなり増えてきました。故人の希望だから、お金がないなど経済的な問題、お付き合いがない、参列者がいないなどの理由だけで直葬を選ぶと後々、トラブルになる場合もありますので、注意が必要です。

特に、先祖代々から続く菩提寺とお墓がある方は、許可なく勝手に直葬してしまうと、お坊さんにとっては収入源が減るわけですから、お墓に納骨させてもらえないなどのトラブルになることもあります。

どうしても費用がなく、直葬を望むのであれば、きちんとお坊さんと話しをして、火葬炉の前でお経を読んでもらうなど、相談すると良いでしょう。

また、宗教儀式は一切しないのが直葬ですが、まったく何もしないのは心がひけるという喪主の方には、無宗教でもお坊さんを呼んで、安置場所の枕元で枕経を読んでもらったり、火葬炉の前でお経を読んでもらうこともできます。

病院でお亡くなりになった場合には、病院では長い間ご遺体を安置してくれないのが一般的です。いったんご自宅で安置することが可能であれば問題ありませんが、それができない場合には、火葬までの間、ご遺体を一時的に安置する場所を確保する必要があります。

ただ、直葬は葬儀社にとっては利益の金額が低いため、業者によっては、引き受けないところもありますので、注意が必要です。

家族葬の時と同様に、葬儀に参列したかったが、施主の意向により参列できなかった方のための対応を考える必要があります。

また、有名芸能人が亡くなった場合、一般葬の他に、後日「お別れの会」を行って、大勢の弔問客が参列することがあります。それとは間逆で、芸能人が亡くなり、通夜式や告別式が終わって数日してから、ニュースで「近親者だけで執り行われた。」と報道されることがあります。これは、家族葬や直葬のことをさし、会葬する方を公に望まないことから、すべての儀式(納骨など)が終わってからマスコミに亡くなったことだけを報告するためです。